この日のお稽古は一部のみ。
流れの中で受けに手を取らせることがテーマでした。
手は取られるのではなく、取らせる、とよく言われます。
取られると取らせるとの違いには、
もちろん物理的な違いもあるでしょう。
手のどの位置をどの角度で取らせるか、
取らせた位置と自分の身体、相手の身体との位置関係、
その違いによって、自分の力の出しやすさ、
相手の力の出しやすさが変わってきます。
自分が有利になるなら、それは取らせたと言えるかもしれません。
この日のお稽古では、受けが来てからではなく、
受けが来る前に取りが流れを作って、
その中で手を取らせて、技に入りました。
流れを作るには、闇雲に動くのではなく、
身体を整え、動きを整える必要があります。
そこに相手がやってくるので、楽に動くことができるのです。
といったようなことは、物理的な面からとらえた話ですが、
取らせるというのには、
心や意識の使い方が大きくかかわってきます。
気持ちの準備ができていない状態で手をつかまれたら、
「取られた」状態になりやすいでしょう。
そういった場合でも動じなければ、
それは「取らせた」と言えるでしょう。
流れの中だと取らせることがやりやすいのは、
すでに気持ちの準備ができた状態でいるからです。
もちろん、ただぼんやり動いていたり、
相手の手や、手順などに気を取られていれば、
結局は手は取られてしまいます。
身体の使い方と心の使い方、どちらも大事です。
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