最近、わたしがお稽古で多用している言葉があります。
「整える」
呼吸を整える、気持ちを整える、
身体を整える、動きを整える。
合気道で大事なことの多くが、この言葉には集約されている、
今はそのように感じています。
それは、他の表現で言われていることも、
「整える」と言い換えることができることが多くあるからです。
たとえば、全身の緊張を均質にするとか、
詰まり強張りをなくすといったことは、
身体を整えると言い換えることができます。
動きに段差や濃淡をつけないというのは、動きを整える。
呼吸、気持ちを整えるのは、安定打坐につながります。
適切な間や間合いを取ることも、
時間的な場や空間的な場を整える、と言えます。
足踏みのことを言うときに、
技をやっているときの取り受けの間の位置関係だけではなく、
他の組とのバランスを取って道場を使うとか、
準備体操や呼吸法のとき、列や円になって並ぶときの
立ち位置のことも言われますが、
これはどれだけ視野を広く持って、
大きな場を考慮に入れて整えることができるのか、
それも最初の位置に居着かずに、
動的に場を整えることができるのか、
そういったことが問われているのだと思います。
他にも整えることが重要な場面は多くあるでしょう。
お稽古だけでなく日常でもそういう意識を持ってみると、
何かまた発見があるかもしれません。
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